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5-D Japan 第6回総会

寺西邦彦氏を招聘し、「欠損補綴の対応」をテーマに

ザ・クインテッセンス2015年5月号掲載

 さる3月8日(日)、東京・シェーンバッハ・サボーにおいて、スタディグループ5-D Japan 第6回総会が開催された。
 午前中の会員発表では、大谷令氏(滋賀県開業)が「前歯部審美インプラント症例」、古市英史氏(兵庫県開業)が「パーシャルデンチャーを併用し咬合再構成を行い、審美的改善を行った一症例」、吉松繁人氏(福岡県開業)が「総義歯難症例への対応」と題して講演。なかでも吉松氏は、近年難症例化が叫ばれる総義歯治療について教育的な講演を行い。患者の歯列や骨格をみるなど、とくに診査・診断の重要性を訴えた。

 午後は、寺西邦彦氏(東京都開業)をゲストに迎え、5-D Japan ファウンダーの1人である船登彰芳氏(石川県開業)とともに症例検討会「欠損補綴に強くなる!インプラントか?義歯か?また併用か?」が行われた。

 第1部では、「パーシャルデンチャーの設計とインプラントをどのように活かすか」と題して船登氏による問題提起の後に寺西氏が登壇。予後良好なキャストパーシャルデンチャーの臨床基準、インプラントをオプションに含めた欠損補綴のガイドライン、キャストパーシャルデンチャーとインプラントの併用法等を、20~30年の経過症例とともに解説した。なかでも無歯顎補綴の治療法として注目を集めるインプラントオーバーデンチャーについて言及し、「治療後のランニングコストが思いのほかかかる。このことについて、事前に患者にきちんと説明をしておくことが重要」とした。

 第2部は、「インプラント治療における光機能の役割」がテーマ。寺西氏がインプラント治療にともなう骨造成時のメンブレン、アバットメント、補綴装置にも光機能化を行っているとし、実際の臨床例を基にその効能を示した後、船登氏がインプラント体への光機能化の有用性を文献的背景から、また自身の臨床例から考察した。
同スタディグループの人気を裏付けるように、会場は約300名の参加者と多数の展示業者で熱気を帯び、盛会となった。