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5D+BORG “MEETING in Barcelona” 報告記 片寄信子

モナコでのEAO終了後、私たちは“5D+BORG”MEETINGに出席するためバルセロナへ移動した。この会議はDr.石川とDr.Velaの親交の賜物で実現した。
まずはBIOMET 3i のUlf氏のコーディネートによりバルセロナ港近くのレストランにて、美味しいお酒とシーフードディナーで親交を深めた。

翌日バルセロナ郊外のBiomet3iのオフィスにて和やかな雰囲気のもと、簡単なオフィス見学の後プレゼンテーションが始められた。Team BORG とはDr.Vela が中心となって設立されたBarcelona Osseointegration Research Groupの略称である。彼らは、ここ数年、2-3本の3iインプラントに関するPlatform Switchingの文献を報告しており、昨年日本にも来日し、講演をしている若手のホープでもある。

まずDr.船登が“4-D Concept Implant Therapy Focused on Immediate Implant Therapy”という演題で抜歯即時ケースについてプレゼンテーションを行い、続いてDr.石川が“3-Dimensional Bone and Soft Tissue Management for Papillae Reconstruction in Compromised Multiple Implant Cases” という演題で多数歯欠損の症例を示した。上顎2~2欠損の場合の埋入部位についてDr.Velaから意見が出され、どこにインプラントを埋入するかを討論した。5Dからは第一選択は側切歯部位に2本のインプラント埋入であるという意見がだされたが、彼らは、その場合上部構造の形態の難しさを挙げ、Platform Switchingが有効に機能するならば、中切歯に2本埋入することを提案した。 Dr.北島のプレゼンテーション“Aesthetic Gingival Reconstruction Around Natural Teeth and Implants” の後には、BORGのメンバーからそのすばらしさに驚嘆のため息がもれていました。その後のコーヒーブレイクの間もDr.VelaはDr.北島と熱く語り合っていらっしゃいました。
ブレイク後はまずDr.Victor Mendes がプラットフォームスイッチングの説明に続いて、多数の症例の写真とレントゲン像を動画で示されました。続いてDr.Xavier Rodriguez は、プラットフォームスイッチングを行わない場合と行った場合の炎症の拡大範囲などを示し、また、犬を使った実験や多数の文献を示されていました。最後に Dr.Xavier Vela は新しい補綴システム Encodeについて、着脱回数を減らすことにより骨吸収を抑えることができ、また印象採得も容易であるという利点や、データをセンターに送る必要があることなど、詳しく説明をされました。Encodeについては、今後のその可能性や歯肉縁下のデザインなどについて、熱い議論が交わされた。

午後からは、Biomet 3iのインプラントデザインについて、どのような改良点が望ましいか、ヨーロッパプロダクトマネージャーを交えて討論を行った。Dr.船登からは、低速用ドリルの開発、Osseotite Tapered Prevailの発売、(現在はNanotiteしかない)Dr.石川からはコニカルシールデザインの接合部の開発の要望も出された。一方すでにBiomet3i社では、ヨーロッパではインターナルインプラントのチタン合金から純チタンへの変更の要望が強いため、近々純チタングレードⅣへの変更が行われるそうである。また、ストレートインプラントの形状の変更が決定されたことが報告された。そして、その詳細は明らかにされなかったものの、新たな表面性状の開発にも取り組んでいることも明かされた。

会議終了後、最後のヨーロッパの日を満喫するために、Dr.石川に事前調査していただいた、レストランで我々日本人だけでバルセロナの夜を満喫した。